【銘柄分析】リクルートは今後も買いか?強さの源泉に迫る

今回は個別株の分析としてリクルートホールディングス(6098)を取り上げます。

直近で株式市場を騒がせた買収がリクルートのグラスドア(Glassdoor)の買収でした。

リクルート、米ネット求人大手Glassdoorを12億ドルで買収 傘下のIndeedと連携

2018年はタケダがシャイアーを7兆円超で買収すると発表するなど、日本企業のM&Aが進んでいます。

時価総額も6兆円を超え、上場時から約3倍まで成長しているリクルートの強さの源は何か?
今後も株は買いなのか?買収戦略を中心にリクルートに関して分析していきます。

リクルートホールディングスの企業概要

リクルートホールディングス(以下リクルート )という企業について、今更説明する必要もないでしょう。
リクナビなどの人材ビジネスや、ゼクシイ、SUUMO、バイトするならでおなじみのタウンワークなど、幅広いライフイベントに関わる情報サービスを展開しています。
リクルートのCMを見ない日はないくらい、マーケティング活動も活発です。
創業は1963年ですが、2014年10月に東証1部に上場を果たしました。
リクルート事件から立ち直り、1兆円以上の借金を返済し、2018年9月16日現在、時価総額が6兆円を超えるところまで成長を遂げている押しも押されぬスーパー企業です。

 

リクルートの中核会社

リクルートは以下の3セグメントから成ります。

リクルートの3セグメント

リクルートの3セグメント

簡単に分けると以下の3つです。

  1. HRテクノロジー
  2. メディア&ソリューション
  3. 人材派遣事業

HRテクノロジーが最近CMで見ない日はないindeedを中心とした領域、メディア&ソリューションはゼクシィやホットペッパー、SUUMOなどのいわゆるリクルートと言うとイメージするサービスを提供する領域、そして人材派遣はそのまま人材派遣の領域となります。

では、次にセグメント別の売り上げや利益を見ていきましょう。

セグメント別売上_EBITDA

セグメント別の売上とEBITDA

リクルートは売上2兆円を越える企業となっていますが、実にその半分を人材派遣領域があげています。
人材派遣業は売上は上がるものの利益率が低い典型なのでこのような形になっていますね(人材首位のアデコも同じ構造)
ちなみに2010年代に相次ぐ買収により人材派遣業を拡大しています(後述)

一方で、利益(EBITDA)を見るとメディア&ソリューション領域が大半であることがわかります。
いわゆるキャッシュカウ(金のなる木)の領域と言え、リクルートの収益を支える根幹事業であることがわかります。
この規模でこれだけ成長しているのも凄いですが・・

そんな中で異質な光を放っているのがHRテクノロジー領域です。
YOYで売上64%、EBITDA83%超え成長と言う異次元の成長率を見せています。

リクルートが株式市場で評価されている要因として、圧倒的な収益源を持ちつつ成長率の高い事業を育てられているというところにあるでしょう。

リクルートの成長戦略

続いてリクルートが描く成長戦略に関して分析していきます。

上場時に峰岸社長が掲げた成長戦略

2014年に上場した際、社長の峰岸氏は野心的な宣言をしています。

  • 2020年を目途に人材メディア、人材派遣業でグローバルNo.1になる
  • 2030年を目途に販促メディア事業も含めた全ての事業領域でグローバルNo.1になる

上場することにより手にする資金を使って積極的なM&Aを仕掛け、グローバルNo.1となる道を目指して来ています。
リクルートはこの目標に向かって成長を続けています。

事実、海外売上比率は2018年3月期で46%まで増加しているとあります。
2019年グラスドアが連結されることもあり間違いなく海外比率が逆転することになるでしょう。

先述の通り、メディア&ソリューション領域など既存事業が生み出すお金を積極的に海外M&Aに利用し、成長すると言う宣言通りに進んできていることがわかります。

リクルートのM&A戦略

リクルートのM&戦略を具体的に見ていきます。
上場する前後にかけて、私が把握できる限りでも以下巨大M&Aを実現させています。

 

2011年 米 スタッフマーク(人材派遣)の全株式を約227億円で取得 人材派遣
2012年 米 Indeed(求人検索サイト運営)の全株式を約950億円で取得 HRテクノロジー
2015年 英 Hotspring (オンライン美容予約サービス「Wahanda」)の株式を約210億円で取得 美容
2015年 蘭 Treatwell (オンライン美容予約サービス)の株式を約47億円で取得 美容
2015年 豪ピープルバンク(人材派遣)を67億円で取得 人材派遣
2015年 独 Quandoo(飲食店予約サイト)の株式を271億円で取得 飲食
2016年 蘭 USG People(人材派遣)を子会社化。取得価格は1885億円 人材派遣
2018年 米 glassdoor(企業口コミサイト)を1300億円で取得 HRテクノロジー

 

たくさんの会社を買収してきたリクルートですが、リクルートのM&A戦略はどのような特徴があるでしょうか?

私は大きく以下2つのパターンがあると思います。

それが

  1. 国内事業などで成功しているモデルの海外版
  2. 非連続的なテクノロジー企業

です。

成功モデルの海外版

リクルートの買収を見ていると、国内である程度成功しているモデルを海外で展開している企業を買収している印象を受けます。

例えば、

・国内で圧倒的シェアを誇るホットペッパービューティーに近いモデルを展開するイギリスのHotspring
・同じくホットペッパーのような飲食店の予約サイトであるQuandoo
・スタディサプりと類似のサービスを展開するQuipper

などになります。人材派遣業も同じような登り方で世界各国で買収を続けていますね。

国内で上手くいっているモデルを海外展開するのではなく、似た思想のサービスを買ってしまおうと言うある意味堅実な守りの海外展開とも取れます。

非連続的なテクノロジー企業

一方で圧倒的に上手くいっている買収がindeedの買収です。
買収当時は高いと叩かれましたが、買収後にindeedの売上は7倍以上に成長し、日本企業が最近行った買収の中で一番上手くいったと言っても過言ではない買収になりました。

ある意味indeedはリクルートの既存事業をぶっ壊すモデルで、実際リクルートの既存ビジネスであるリクナビやタウンワークとモロに競合しています。
※ちなみに、indeedの買収をリードした出木場さんは実際にindeedがリクルートを超えていくと言ってます笑
米インディードが目論む「リクルート超え」

カニバルことを恐れずに世界を取りに行く、こうした攻めの買収も同時に成功させているところにリクルートの凄さがあると思います。

 

グラスドアの買収

そんなHRテクノロジーが新たにグラスドアを買収しました。

グラスドア(Glassdoor)

新たな戦力グラスドア

グラスドアも既存のリクルートが提供していない新たなサービスで、indeedとのシナジーも十分で今後の成長を期待させるに十分な布陣となりました。

グラスドアはまだ赤字ですが、indeedを成長させてきた出木場さんですから必ずやグラスドアも高成長を遂げる会社となるでしょう。

盤石のメディア&ソリューションと人材派遣領域、攻めのHRテクノロジーで住み分けをしていて、実際それが上手くいっているので株式市場では高く評価される結果となっていると推察されます。
今後は2030年に販促領域で世界一を掲げていますので、HRテクノロジーの知見を元に、HR以外の領域も攻めの一手を打ってくるだろうと考えられます。

既存の事業だけではなく、まだまだこうした攻めの買収余力を残しているリクルートですから、今後の海外展開で更なる成長が期待できます。
リクルートはやると言ったらやる会社ですから、2030年までに「サービス利用者数でグローバルNo.1」になってくれるまで期待したいと思います。

結論

・高収益体質でビジネスモデルがしっかりしている
・成長ドライバを持っており今後の海外展開に期待できる
・経営陣が優秀

なので、更なる成長が期待できるでしょう。

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